在宅でのリモートワークでなかなか集中できずに困ったりしていないでしょうか?
実は、集中できない大きな原因は照明かもしれません。
なぜなら、オフィスと違い一般住宅の照明では仕事に必要なデスクの明るさが確保できていないことが多く目が疲れてしまうからです。
この記事では「集中しやすい」「目が疲れにくい」というキーワードを軸とした仕事・勉強向きなデスクライトの選び方を解説します。
この記事を読むことで何を基準にデスクライトを選べばいいかがわかるようになります。
リモートワークをする方はもちろん、お子さんが小学校にあがるタイミングでデスクライトの購入を考えているというお父さんお母さんもかなり参考になると思いますよ。
結論はデスクライトのスペック欄からこの記事の7つのポイントを確認するだけで、このデスクライトが「仕事・勉強向きなデスクライト」かどうか自分で判断できるようになります。
デスクライトを見極める目を磨きましょう!
先におすすめ機種を知りたい方はこちらの記事をどうぞ
なぜデスクライトが必要?
デスクライトが必要な理由は、お部屋の天井照明1台ではデスク面の明るさが確保できないからです。
自宅で仕事に集中できない原因のひとつとして「オフィスのデスク」と「自宅のデスク」の照度の違いがあります。
照度とはJIS規格で定められているもので、「仕事をするときのデスクの明るさはこれぐらいあるといいよ」という基準のことです。
具体的な数字にすると、デスク面推奨照度は500~1000ルクスとされています。(ルクスとは照度を表す単位で数字が大きいほど明るい)
この照度を確保するためにオフィスや学校では照明がたくさんついています。
それに対し自宅の照明の台数は基本的に1台。
目が疲れるのも納得いただけるのではないでしょうか?
では、自宅での照度は実際どれぐらいなのでしょうか?
我が家の子供部屋で実験してみたところ、350ルクス程度でした。
ちょっと物足りない感じですね。
実験の条件はこんな感じ ↓
- 部屋の大きさは6畳
- 照明は6畳用のLEDシーリングライト
- 時間帯は11月の16時頃(窓から入る外の光も照度に含まれます)
- 天井の高さ2.4m
- デスク高さ70cm
- 測定位置は照明直下から1mほど横にずれたところのデスク面
いろいろ書きましたが、要するに「一般的なお部屋のリアルな位置で測定したよ」ということです。
一般的な子ども部屋や書斎ならこの数値がある程度参考になると思います。
オフィスが500~1000ルクスなので、オフィスと比べてこれだけ差があります。
つまり、オフィスより暗い環境で仕事や勉強をしているということなので、集中しづらかったり、目が疲れやすかったりするのも納得いただけるのではないでしょうか?
だからデスクライトが必要なんですね。
ちなみに自宅での勉強用の照度基準はこんな感じです。
デスクライトの設置方法3種類
選び方に入る前に、設置方法だけ確認しておきます。設置方法は大きく3種類。
デスクのスペースが奪われないというメリットが大きいことから基本的にはクランプタイプがおすすめです。
クランプタイプ
机の天板に固定して使用する。
スタンドタイプ
デスクの上に置いて使用する。
クリップタイプ
根元が大きい洗濯ばさみのようになっていて、天板やベッドフレーム等に挟んで使用する。
デスクライトの選び方7つのポイント
デスクライトを選ぶ時、ネットの商品ページで「仕様」や「スペック」と書いてある欄を探しましょう。
その中に今から解説する6つのポイントの情報が載っているはずです。
それぞれのポイントだけ見れば「これは目によさそうだな」とか「さっきのと比べてちょっと明るさが落ちるな」ということが自分で判断できるようになりますよ。
①形
「仕様」や「スペック」からと言っておきながらですが、その前にもう一つ大事なポイントがあります。
それはライトの部分が横長のモノを選ぶようにしましょう。
理由は④で解説します。
②明るさ(光束)
次は明るさです。
「仕様」「スペック」のところで「光束(こうそく)」という言葉が入っている部分を探しましょう。
「定格光束」や「全光束」、「器具光束」というように種類がいくつかありますが、これらはほとんど同じ意味と思ってもらってOKです。(厳密には違いますが…)
ここの数字が700~1100㏐(ルーメン)程度のモノを選ぶといいと思います。(※ルーメンとは光束の単位のことです)
デスク面の明るさ(照度)を確保するためには、照明自体の明るさ(光束)が必要になります。
似たような言葉がいろいろ出てきて「???」という方もいそうなので解説しますね。
照らす側の力 =光束(こうそく)
照らされる側の明るさ=照度(しょうど)
野球に例えると…
ピッチャーが投げた時のボールのスピードが「光束」
キャッチャーが受け取る時のボールのスピードが「照度」
です。
なぜこんな紛らわしいことをするのかと思う方もいるかもしれませんが、実はこれを分けることはすごく大事です。
ピッチャーが10mの距離から150㎞/hのボールを投げるのと、50m先から150㎞/hのボールを投げるのでは、同じ150㎞/hでもキャッチャーが捕るときのスピードは全然違いますよね。
つまり、同じ「光束」でも照らす高さによってデスク面の「照度」が変わるということです。
低い位置にある方がデスクは明るくなりますが、デスクライトでは低すぎると邪魔になるだけです。
個人的には40~50㎝から照らすのが邪魔にもならずおすすめです。
かなりザックリですが、40㎝の位置から700~1100ルーメンで照らすとデスクの必要なスペースが700~900ルクスぐらい確保できるイメージです。
③光の色(色温度)
次は「色温度」もしくは「光色」という欄を探しましょう。
色温度であれば5000~6200K(ケルビン)
光色なら昼白色か昼光色と書いてあるものを選びましょう。(※ケルビンは色温度の単位です)
昼白色(ちゅうはくしょく)=5000K
昼光色(ちゅうこうしょく)=6500K
色を数値化してあるだけなので意味は一緒です。
昼白色や昼光色は昼間の太陽と似た光色のためオフィスや学校など活動的な場所でよく使われています。
集中して仕事や勉強をするために使うデスクライトには当然、昼白色や昼光色が向いています。
ただ、一般住宅の照明では暖色系の光色(リラックス効果)を使っているところも多いので、もしかしたらこれが原因で集中しにくいのかもしれませんね。
こちらの記事で光の色について詳しく解説しています。
④光の広がり(JIS)
光の広がりについては「AA形」もしくは「AA形相当」と書いてあるか探しましょう。
この指標は必ずあるわけではないのでしっかり探してくださいね。
これもJIS規格で一定基準を満たしていると表記されるものです。
「AA形」とは簡単に言うと「光が一点に集中せず、均一に広がってるよ」という指標です。
人間の目は明るいところと暗いところを行ったり来たりすると疲れやすいという性質があるので、デスク上に明るいところと暗いところがあるとあまりよろしくないんですね。
その点AA形相当であれば「半径50㎝の範囲はある程度明るさの確保ができている」という基準なので安心です。
また、最初にライトが横長のものを選んだ方がいいと言ったのもそのためです。
物理的に光る箇所が狭いものより広い方が光は広がります。
ライト部分が丸くてオシャレなものもありますが、「疲れにくいデスクライト」という基準で考えるなら横長のモノを選びましょう。
⑤見やすさ
見やすさの基準は「演色性」「演色評価数」もしくは「Ra」と書いてある部分を見てみましょう。
Ra80以上(MAXは100です)であれば問題なし。
Ra90以上あると結構優秀です。
「演色性」とはモノの色がどれだけキレイに見えるかを数値化したものです。
何と比べて「キレイに見える」かというと昼間の太陽の下で見える見え方です。
つまり、照明の光がどれだけ自然光に近いかということです。
自然光に近いほど目への負担は少ないと言われているので、疲れにくい照明を選ぶためには演色性の数値が高いものを選ぶようにしましょう。
⑥多重影対策
各メーカーホームページの商品説明欄などで「多重影対策」という文言があるか探しましょう。
多重影に対して対策をしているメーカーはしっかりアピールしているはずなので、メーカーホームページを見ても見つけられないようであれば対策なしの可能性が高そうです。
LEDは今までの蛍光灯や白熱電球と違い「光のつぶつぶ」がたくさん集まって一つの光になっています。
光がたくさんあるので、その分影もたくさんできます。
このたくさんできる影のことを「多重影」といいますが、この「多重影」ができることで文字が見えにくくなったり、目が疲れやすくなると言われています。
この多重影がLEDのデスクライトにとって大きなデメリットでしたが、各メーカーの企業努力によって改善されてきました。
⑦デザイン、付属機能
最後にデザインや付属機能です。
本体カラーや見た目のオシャレさ、また調光、調色機能など自分が欲しいと思うものを選ぶようにしましょう。
ただ、今見てきた①~⑥を基本として選ぶことで「集中しやすい」、「目が疲れにくい」照明を選ぶことができるので、あくまで⑦はおまけ程度に考えておきましょう。
まとめ
仕事・勉強向きデスクライトを選ぶときに見るポイントは7つだけ
これらの数字をメーカーサイトやショッピングサイトのスペック・仕様欄から探すだけで、もうあなたは質の高いデスクライトを選べるはずです。
リモートワークでの生産性を高めたり、子どもの勉強の質を高めていくために、是非この7つのポイントを活かしてデスク環境を整えていきましょう。
以上でーす。
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