あなたは明るい部屋と薄暗い部屋ならどちらが快適に感じるでしょうか?
人にもよると思いますが、やはり明るい部屋の方が快適に感じる人が多いと思います。
実は、人は「明るい(自然な光で照度が高い)と快適に感じやすくなる」ということがいろんな研究からわかってきています。
それだけ明るさが人間の心理に影響しているということですね。
この記事では照明選びに必要な「光束」と「照度」について解説していきます。
この記事を読むことで、自分のお部屋のLED照明を選ぶときに、どれぐらいの明るさのものを選べばいいかがわかるようになります。
一緒に勉強していきましょう。
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光束と照度とは?
明るさを表す指標はいくつかありますが、その中でも部屋の照明選びに必要な指標は主に2つです。
光束(こうそく)
光束とは簡単に言うと「光源が発するパワー」を数値化したものです。
単位はルーメン(㏐)なので光束のことをルーメン数とか言ったりもします。
「全光束」とか「器具光束」とか「定格光束」とかいろいろ表示に違いはありますが、ざっくり同じと捉えてもらって大丈夫です。
例えばシーリングライトの6畳用の光束であれば2700~3699㏐と定められています。
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照度
照度とは、「光源に照らされたものがどれぐらいの明るさか」を数値化したものです。
単位はルクス(㏓)です。
ルクスの方が聞いたことがあるという方も多いかもしれないですね。
「光束」と「照度」の関係性
似たような言葉がいろいろ出てきて「ん??」という方も多そうなのでもう一度まとめます。
照らす側の力 =光束
照らされる側の明るさ=照度
野球に例えると…
ピッチャーが投げた時のボールのスピードが「光束」
キャッチャーが受け取る時のボールのスピードが「照度」
みたいな感じです。
なぜこんな紛らわしいことをするのかと思う方もいるかもしれませんが、実はこれを分けることはすごく大事です。
さっきの野球の例をまた使いますね。
ピッチャーが18mの距離から150㎞/hのボールを投げるのと、50m先から150㎞/hのボールを投げるのでは、同じ150㎞/hでもキャッチャーが捕るときのスピードは全然違いますよね。
つまり、同じ「光束」でも照らす高さによって「照度」が変わるということです。
例えば、天井についているシーリングライトでデスク上を照らす時、同じ明るさのシーリングライトでもそれぞれの部屋で天井の高さが違うので、デスク面の照度が変わります。
なので、天井が高いほど明るめの照明が必要になるので、照明を選ぶ際、照明が「どれぐらいの明るさなのか」と同時に「自分の部屋の天井の高さ」も考慮する必要があります。
照度基準
照度にはJIS規格で定められている基準があります。
各部屋で「何ルクスぐらいの明るさがあればいいか?」という一覧表です。
これを見たところで自分の部屋が何ルクスかわかるわけではないので、ひとつ基準になる実験をしてみました。
6畳のこども部屋でデスク面320ルクス
JIS基準では、
とされています。
この基準と照らし合わせるため、我が家のこども部屋がどれぐらいか測定してみました。
実験の条件はこんな感じ ↓
- 部屋の大きさは6畳
- 照明は6畳用3200㏐のLEDシーリングライト 昼光色
- 照明位置は天井の中央
- 時間帯は夜(窓から太陽光が入ってこない時間)
- 天井の高さ2.4m
- デスク高さ70cm
- 測定位置は写真の4か所
いろいろ書きましたが、要するに「一般的なお部屋のリアルな位置で測定したよ」ということです。
似たような条件なら自分のお部屋もざっくり同じぐらいの照度と思ってもらって大丈夫です。
実験結果はこんな感じでした。
- デスク左側 324ルクス
- デスク中央奥 213ルクス
- 床照明直下 258ルクス
- 床右側 234ルクス
基準が床面100~200ルクスに対して部屋の隅でも200ルクス以上はあったので問題なしでした。
デスク面は320ルクスなので勉強や読書をするにはちょっと暗いのと、位置的にも人が座るとライトが背中になりさらに暗くなるので、別途デスクライトで照度を確保する必要がありそうです。
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ということで、この実験結果から
- 「3200㏐のシーリングライトで十分基準値をクリアしてそうだから同等の明るさのものを選ぼう」
- 「うちは天井がちょっと高いから部屋は6畳だけど8畳用を選んだ方がよさそうだな」
というように、この基準をうまく活用してもらうと買い物で失敗する確率を減らせると思います。
レビュー記事の方でも各メーカーや畳数のシーリングライトで照度実験をしているので参考になると思います
光でモノの見え方が変わる(演色性)
明るさとは少しずれますが、物の見え方の指標で大事なのが演色性です。
演色性とは光による「物の色」の見え方を数値化したものです。
単位はアールエー(Ra)です。
車でトンネルを通過するときに肌の色が変な色に見えた経験はないでしょうか?
(最近はトンネルもLEDになってきたのでこういう現象も減ってきましたが…)
これはまさに演色性の問題で、昔はトンネルで使われていた電球がとても演色性の数値が低いものだったので、「物の色」が本来の色とかけ離れて見える良い例です。
逆に言うと演色性の数値が高いほど「物の色」が本来の色通りに見えるということです。
「本来の見え方」の基準は太陽の光
本来の見え方とは、晴れた日の昼間に屋外で見える見え方です。
つまり、自然の光での見え方を100点として、照明などの人工的な光は何点取れているかという小学校のテストみたいなイメージで考えるとわかりやすいと思います。
Ra100=自然光での見え方100点
- LEDシーリングライト Ra85=85点
- 直管蛍光灯 Ra70=70点
- トンネルで使われているランプ Ra25=25点
- 白熱電球 Ra100=100点
基本的にはRa80以上が望ましいと言われています。
そして、この写真は先日いちご狩りに行った時に撮影したRa100のいちごです。
もちろん照明は使っていませんし、画像の加工も一切していません。
冷蔵庫の中で見る時の色とは明らかに見え方違いますよね。
これがいちごの本来のポテンシャルです。
演色性も商品の詳細欄に必ず載っているので確認してみましょう。
自宅の照明の演色性が高いほど、ごはんがおいしそうに見えたり、お肌がきれいに見えたりするので地味に重要な指標ですよ。
まとめ
「光束」「照度」「演色性」という3つの指標を解説しましたが、これらの指標を理解できると、今まで同じような形に見えていた照明の「違い」がわかるようになってきます。
なぜ同じ形をしているシーリングライトなのにこっちのメーカーの方が安いのか?という疑問に対して
- あっ、こっちはRa70しかないんだ
- へー、同じ3699㏐でこの値段ならこっちの方が絶対いいよね
っていうセリフが自分の口から出てくるようになると思いますよ。
この記事に出てきたような指標を考慮しながら、おすすめのシーリングライトも紹介していますので、是非ご覧くださいね。
以上でーす。
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